レッスン4、5で設問Ⅲで合格できる論文を書くための2つの要素を満たす論文(骨子)のまとめかたを紹介しました。
もう一つ、合格できるかどうかを分ける大切なことがあります。
それは、論文の内容が、技術士に相応しいと評価してもらえるかということです。
これは、私も、初めて勉強した時に、どの程度のレベルの論文が書けたら合格するのか、と悩みました。
1) 白書は広く浅くまとめた参考書
建設部門の受験生の場合は、国土交通白書を読み、そこから各分野の現状や課題を抽出し、骨子を作成する勉強方法を聞いたことがあるかもしれません。
もう一度、平成25年度の設問Ⅲ-1の回答案骨子を示します。
この骨子の場合、国土交通白書に記載されているような事業や施策は、どの部分に書かれているかわかりますでしょうか。
この設問の場合だと、緑枠で囲った(1)課題、(2)課題に対する解決策の部分が、国土交通白書に記載されるレベルと考えてください。
何故かというと、国土交通白書は、国土交通省が所管する事業について、現状と課題を示し、その方策を示した総論であり、広く浅い内容となっているからです。
2)設問Ⅲで合否をわける重要なパート
技術士試験で合格レベルの論文であると評価してもらうには、国土交通白書よりさらに踏み込んだ内容の提案や対策策を示せなければいけません。
これは、どの部分で示すかというと、最後の(3)問題点と対応の考え方の部分で示すことになります。
つまり、設問Ⅲで評価される「課題遂行力」については、最後の問いのところパートで示す必要があるのです。
特にこの部分では、自身の実務の経験を活かして、対応策などを示せば、現場レベルでの高い課題遂行力を示すことができ、評価にもつながってきます。